見事な物語と難解な謎:「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」
ニンテンドー3DSバーチャルコンソールの「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」、クリアしました。元は1987年にファミコンのディスクシステム向けに、上・下の二本に分かれて発売されたアドベンチャーゲーム。
私は遊んだことがないと思っていたのだが、先日押入を掃除していたらこのソフトが出てきてびっくりした。同じ「ふぁみこんむかし話」シリーズの「遊遊記」は遊んだし面白かった記憶があるのだけれど(余談ですが「遊遊記」も復刻希望)。
しかしそれは、おそらく当時の自分が「新・鬼ヶ島」を途中でクリア断念したのだろうということが、今回遊んでなんとなく想像できた。
物語は、日本の昔話を上手く組み合わせて作られている。はじめに登場するのは、おじいさんとおばあさん。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行く。おじいさんはその途中で、サングラスをかけて英語を話す金太郎に出会ったりしつつ、竹の中から女の子を見つける。おばあさんはお地蔵様に笠をかけたりしつつ、川上から流れてくるお椀を拾い上げ、その中から元気な男の子が産まれる。更にその家には、鶴の化身の女の人が開かずの間にいたりもする。という感じで、この最初の章からして、盛りだくさんになっている。
その後、街にお使いに行った男の子と女の子は、鬼が暴れているという噂を聞く。そしてある夜、二人の住む家にも鬼がやってきて、おじいさんとおばあさんは魂を吸い取られてしまう。おじいさん、おばあさんを助ける手がかりを探しに、二人は旅に出るのであった。
以降も、様々な昔話を取り入れていて、かつ展開に無理がない。主人公である男の子、女の子の成長や、後半に分かる二人の正体の意外性など、読みどころは多数。
ただ、難易度は高い。まずひとつに、「手がかりのない謎」というのが存在する。順番に調べたり、論理的に考えたりという手順を外れた、唐突に調べて(少なくとも自分にはそう思えた)先に進む場面もある。いつもと同じような画面だけれど、あえていつもしない操作をすることが必要な箇所も。
昔のゲームだと、そういう謎解きでプレイ時間をかけないと、すぐに終わってしまうという事情があるのは重々承知しているけれど、それでも時々はかなり厳しい謎に直面する。元となる昔話を知っていれば解ける謎もいくつかあって、これはまだいいのだけれど、それもちゃんと段階を踏む必要がある。
そしてもうひとつは、ゲームオーバーの多さ。選択肢を間違えることで、セーブしたところや章の初めからやり直しになる。各章は細かく区切られているから、そんなに前に戻されることはない。ただ、ゲームオーバーになる選択肢は多い。しかも、このゲームはどの場面でもセーブできるので、「ある選択肢にを選ぶ→セーブ→間違ったルートだった→セーブする前の選択肢が違っていた」ということで、章の初めからやり直すことも何度か経験した。だからセーブしたところと章のはじめと、ふたつやり直す場所があるのだなと納得した。
しかし、それも含めてファミコンのゲームなのである。ある種の理不尽さを感じる謎があるからこそ、突破した時の達成感もひとしお。当時だって攻略本があったのだし、今だって攻略サイトを作っている人がいる。そうしたヒントに助けてもらいながら、チャレンジしてみるというのもいいと思います。
ニンテンドー3DS|ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(前後編)|Nintendo
http://www.nintendo.co.jp/3ds/eshop/vc/tcyj/
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