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2014年3月16日 (日)

「ハイレッド・センター:直接行動の軌跡」展を見る(渋谷区松濤美術館で3月23日まで)

HiRedCenter

 渋谷区の松濤美術館で、「ハイレッド・センター:直接行動の軌跡」展を見る。

 「ハイレッド・センター」というのは、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の三人を中心に、1960年代に活動した前衛芸術のグループ。アクションとかハプニングと呼ばれるような、ギャラリーや美術館を出た行動芸術を主に行った。グループ名は、高松の「高」、赤瀬川の「赤」、中西の「中」を英語にしてつなげたもの。

 私は赤瀬川原平さんの『東京ミキサー計画』 (1994・ちくま文庫)や『反芸術アンパン』 (1994・ちくま文庫)でその名を知って、「面白いことをしていたんだなあ」と思った記憶がある。

 そうした多少の予備知識はあったのだけれど、今回改めて展示を見ると、色々なことに気づく。例えば、ハイレッド・センターの活動は、1963年の春から1964年の秋くらいまでの約1年半に集中していること。結成記念の「第5次ミキサー計画」から、帝国ホテルの一室を借りた「シャルター計画」、画廊を閉鎖した「大パノラマ展」、ビルから様々なものを投げる「ドロッピング・ショー」、そして銀座の一角のごく一部を徹底的に掃除する「首都圏清掃整理促進運動」まで、すべてこの時期に行っている。その間の1964年1月には、赤瀬川原平さんの模造百円札が通貨偽造として事件になる(裁判は1965年から1967年まで行われる)。すごい濃密な活動。
 また、「ハイレッド・センター」というと高松、赤瀬川、中西の三氏を連想するが、和泉達氏が「合法部員」として名を連ねていたり、音楽家の刀根康尚、小杉武久の両氏も参加していたりする。

 ハイレッド・センターの前後の時期の作品も展示されていて、例えば赤瀬川さんのコラージュ作品1961年~1963年)などは、あまり見慣れないので、貴重だった。

 会期は3月23日(日)まで、午前10時~午後6時。17日(月)は休館。白井晟一氏設計の建物そのものも趣がありますし、区立の美術館ということもあって、なんと一般300円(小中学生100円)で見ることができる。

渋谷区立松濤美術館
http://www.shoto-museum.jp/

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