技巧と表現力:シン・ヒョンス・ヴァイオリンリサイタルを聴く(2014.11.29)
前半はシューベルトが二曲。19歳の時に作られたヴァイオリン・ソナタは、なんとなくほのぼのとした印象。それでも、聞けばシューベルトの曲だと 感じる部分はある。一方ヴァイオリンとピアノのためのロンドは晩年と言っていい29歳の時の作品。こちらは起伏も大きく、演奏者にも技巧が求められる曲だ と感じた。
後半は、まずラヴェルのヴァイオリン・ソナタ。これは楽章ごとに雰囲気が変わっていって、特に第二楽章はジャズのよう。ピアノは完全にジャズのよ うに聞こえるし、ヴァイオリンはブルースのギターや歌声のような旋律を奏でる。そして最後はサラサーテのカルメン幻想曲。オペラ「カルメン」の曲を組み合 わせているのだが、ヴァイオリンの名手サラサーテらしく、いわゆる超絶技巧を要する編曲。しかし、今回の二人の演奏には、そうした技術を感じるのはもちろ ん、ヴァイオリンとピアノのふたつの楽器で「カルメン」の世界をつくる表現力も感じました。
シン・ヒョンスさんは、昨年のコンサートや、雑誌やwebサイトの写真からは可憐な感じの方かと思っていましたが、リサイタルでの演奏を聴くと力強くて、むしろアスリート的な美しさを感じました。
シン・ヒョンス ヴァイオリン・リサイタル
2014.11.29(土)かつしかシンフォニーヒルズ・アイリスホール
ピアノ:佐藤卓史
F.シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 D.384
F.シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのロンド ロ短調 Op.70/D.895
M.ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
P.サラサーテ:カルメン幻想曲 Op.25
アンコール
クライスラー「美しきロスマリン」
シューマン「トロイメライ」
ファリャ「スペイン舞曲」
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