【書評】勝ちにこだわると見えてくるもの_鈴木 銀一郎『ゲーム的人生論』
勝ちにこだわると見えてくるもの
鈴木 銀一郎『ゲーム的人生論』(新紀元社・Role&Roll Books)
著者はおそらく現役最年長(1934年生まれ)のゲームデザイナーでありゲームプレイヤー。一般的に一番知られているのは「モンスターメーカー」シリーズだと思うけれど、その他にも数々のゲームを生み出している方。
この本では、戦争中に疎開していた小学生時代からの半生を、ゲームを遊ぶこと、作ることを中心に振り返る内容。様々な仕事をしながら、様々なゲームに携わってきたことが分かる。
一番印象的なのは、勝負に対するこだわり。あらゆる場面で、いかに勝つかということを常に考えている。「まえがき」には、「今なら、よく分かっている。/人生にもルールのあることが。/そのルールに従って人生ゲームをプレイすれば成功し、従わなければ失敗する」(p.4)とも語られている。その言葉どおり、例えば近くに住んでいた小学生の女の子のグループに請われて野球チームの監督を務めた時のエピソードも、氏の戦略家としての面が見られる。その一方で、情に厚いことをうかがえるエピソードもあり、そうした色々な側面をあわせて、著者の人間的な魅力になっているのだと思う。
私はゲームについて勝ち負けへのこだわりはあまり持っていないのだが、それだけに著者の考え方は興味深いし、勝つこと考えると見えてくることもあるのだと感じた。例えば、自分に運を呼ぶためには、「世の中、あるいは自分を前向きに見る」(p.118)、そして「『投入量』つまり、努力」(p.122)が重要であるということ。これはゲームに限らず、様々なことを考えるヒントになると思う。
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