20世紀に流行したゲームを、21世紀の技術とゲームデザインで_ニンテンドー3DS「洞窟物語」(開発室Pixel)
■ニンテンドー3DS「洞窟物語」(開発室Pixel)
ここ一ヶ月くらい、遊び続けていたゲーム。
ジャンルはアクション。スーパーファミコンやメガドライブの名作ゲームを思い出させてくれるような雰囲気を持っている。
結論を先に書いちゃえば、20世紀に流行したゲームを、21世紀の技術とゲームデザインで作ったような名作。ゲームバランス、操作性、ストーリーと、どれもが奇跡的にクオリティが高い。
●チュートリアルがなくても(そもそも昔のゲームにチュートリアルはなかった)
ゲームは、洞窟の一室から始まる。
主人公はなにも持っていないし、ここがどこかも、自分が誰かも分からない。
最近のゲームのような、分かりやすいチュートリアルはない。ないのだけれど、分からないなりにあれこれ主人公を動かしていると、どうしたらいいかは分かってくる。
まあ、そこまでにゲームオーバーになる可能性もなくはないけれど、その試行錯誤こそがゲームでしょうよ。画面に描かれているものを見て、判断して、キャラクターを動かしていく。それが面白さだと思う。
こ のゲームの話ではないけれど、かつてのゲームの中には、スタート地点から進行方向と逆に進むと海があって、そのまま進むと海に落ちるというものもあった。 でも、それって考えたら当たり前なのだし、そういう、ゲームの中だけじゃない、色々な知識や認識を総動員して遊ぶのが、醍醐味だろうと。
導入からラストまで、簡単すぎず、難しすぎず、絶妙なゲームバランスは一貫している。
●シビアであっても、ストレスを感じない理由
難易度は、決して低くはない。ただ、途中で嫌にならず、むしろ繰り返し繰り返しコンティニューして遊びたくなる。
その理由は、ライフ制なので、敵に触れたら一発でゲームオーバーになるわけではないとか、セーブポイントがあるので、こまめにセーブしておけば、そんなに撒き戻されるわけではない、といった点にある。
もうひとつは、「操作がままならないでやられる」ことがないから。ボタンを押してからの反応が悪いとか、ボタンが多すぎるとか、無理な操作を強いられることがない。
使うボタンは、十字ボタンでの八方向への操作と、Aボタンで武器攻撃、Bボタンでジャンプ。ジャンプ中に上下に武器を撃つことも出来る。
下画面のタッチでアイテムを選んだり武器を切り替えたりはある(武器はL・Rでも切り替えられる)けれど、基本はシンプル。でも、わりと自由に動かせる。結果、自分の指の動きとキャラクターの動きが、ちゃんとシンクロする。
だから、失敗した時は理由が分かるし、何度か繰り返すと、どうしたら進めるかがなんとなくつかめてくる。
なお、ゲーム開始時に難易度を三種類から選べる。私は「ふつう」で遊んだけれど、少し遊んで難しいと思ったら、難易度を「やさしい」で再スタートするのもありだと思います。
●キャラクターはかわいいけれど、ストーリーは結構シリアス
キャラクターは、基本的にデフォルメされていて、敵も含めてかわいい。これは、動きの簡略化とか色々な理由があるのだろうけれど、世界観が統一されている。それでも、ボスキャラは巨大だし、それでいてなめらかに動くし。
一方で、ストーリーは結構シリアス。詳しくはネタバレなので書けないですが、舞台がどこなのか、主人公が誰なのかが徐々に分かってきて、キャラクターたちがなぜそこにいるのか明らかになってくると、結構ヘビーな物語ってことに気付く。
それを重くなりすぎないようにしてくれているのが、キャラクターの造詣なのかもしれない。遊んでいてつらくなることはないです。
もうひとつ。音楽も、FM音源っぽくていいんですよね。これもスーパーファミコンやメガドライブのゲームを思い出す。チップチューンが好きな方は、ゲームを離れて音楽だけ聴いても好きだと思います。
●21世紀的な広まり方
ちなみにこのソフトは、2004年に、Windows用のフリーソフトとして公開された。これはなんと今でもダウンロードが出来る。BGMのファイルも、同ページからダウンロードできる。
◆Pixel - Archives : http://studiopixel.sakura.ne.jp/archives/index.html
そ の後、アメリカで2010年にWiiとDSi用に配信され、2011年には日本向けのニンテンドーDSi用に配信。2015年には日本のニンテンドー 3DS用ソフトとして配信された。そう考えると、最初のリリースからもう12年経っているわけで、古典と言ってもいいのかもしれない。
プ
ラットフォーム(遊べるハードウェア)を変えて、遊び継がれるのは、いい意味で21世紀的な広まり方だと思う。もちろん、最近のゲームって、ソフトウェア
を各自の端末にダウンロードするのではなくて、サーバーにアクセスするものも多いので(むしろiOSやAndroidはそれがメイン)、サービス終了する
と二度と遊べなかったりする。
それはちょっと困るのだけれど、パッケージではなくダウンロード販売で、購入してインストールすれば、そのハードが活きている限り遊べるのは、ありがたい。
私は2008年とか2009年くらいにWindows版を知って、中盤くらいまで遊んだ記憶がある。その後7~8年の時を経た今年の夏、3DS版の存在をこの夏に知って、即ダウンロード。
二回クリアして、今三回目を遊んでいます。途中で物語が分岐して、いわゆる「真のエンディング」を見るためには、かなり色々なポイントをクリアする必要があるので、繰り返し遊べます。
3DS版は1,000円だけれど決して高くない。あるいはWindows版を体験版的に遊んでみてもいいかもしれない。
◆洞窟物語 | ニンテンドー3DS | 任天堂 : https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000036615
●最後に補足情報
ニンテンドー3DSには、「洞窟物語3D」というリメイク版もあります。私は遊んでいないので、聞いた評判の限りですが、雰囲気はかなり違うようです。2Dのアクションを3Dにしているので、見た目の雰囲気が随分違うようです。
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