【感想】1980年代、家庭用ゲーム機の黎明期に存在した、オーパーツのような名作_ゲーム『ファンタシースター』
クリアしました。1987年12月だと、ファイナルファンタジー1と同時期、ドラゴンクエストは2が1月に発売されている。そう思うと、3Dダンジョンやバトルのアニメの動き、SFファンタジーという世界観など、かなり先鋭的な印象。 #SEGAAGES #PhantasyStar #ファンタシースター #NintendoSwitch pic.twitter.com/MVD6gxcc9c
— このはも (@konohamoero) May 8, 2020
Nintendo Switch版の「SEGA AGES ファンタシースター」をクリアする。
「ファンタシースター(Phantasy Star)」は、元は1987年12月に発売されたセガ・マークIII用のロールプレイングゲーム。今の「ファンタシースターオンライン」につながるシリーズの一番最初の作品。
私はメガドライブで発売された「ファンタシースターII 還らざる時の終わりに」、「時の継承者 ファンタシースターIII」、「ファンタシースター 千年紀の終りに」は遊んだことがあるのだが、セガ・マークIIIとマスターシステムは持っていなかったので
遊んで思ったのは、1987年のゲームと思うと、非常に先進的ということ。
ひとつ目は世界観。当時の国産のロールプレイングというと、剣と魔法のファンタジーの世界が中心だった時期、そこにSF要素が追加されているのは新鮮だったと思う。同時代のゲームを考えると、ファミコン「ドラゴンクエスト」のIIが1987年、IIIが1988年発売。「ファイナルファンタジー」のIが1987年。比べてみても、世界観は異色だと思う。ちなみに、同じくSFの世界を舞台にしたファミコンの「星をみるひと」が1987年の発売。
ふたつ目はグラフィック。3Dのダンジョンが非常になめらか。画面がそのまま切り替わるのではなく、アニメーションで切り替えている。これはSwitch版で修正したわけではなく、当初から。さらに、戦闘シーンにもアニメーションが使われている。のちに「ソニックシリーズ」を手掛ける中裕司さんがメインプログラマーだったそうで、技術力を感じる。
みっつ目はBGM。BGMが素晴らしい。曲がいいのはもちろんなのだが、FM音源に対応しているので、当時のシンセサイザーのような音色が聴ける。FM音源は、セガのゲーム機や、ゲームもできるパソコンのMSXには搭載されていたけれど、同時期のゲーム機はPSG音源(和音が3音の、いわゆる「ピコピコ」と呼ばれる音)が多かったので、この音質は際立つ。
セガのゲームは、「技術やコンセプトが時代を先取りしてる」、あるいは「早すぎる」と言われることが多いですが、このゲームもそうだったのかなと。
30年以上前にこのスクロールを実装していたのはやっぱりすごいと思う #SEGAAGES #PhantasyStar #ファンタシースター #NintendoSwitch pic.twitter.com/XmNHFoQNdp
— このはも (@konohamoero) May 8, 2020
一方で、セガとしては初のオリジナルPRGだったという黎明期らしく、進行に影響がある仕様とか、バランスが取れていない部分もある。
例えば、このゲームは戦闘中を除くと、どこでもセーブができる。これは便利は便利なのだが、セーブする場所を間違えると、そこから進めなかった時に、ロードして戻っても結局進めなくなって手詰まりになってしまう。これはSEGA AGES版でも修正はない代わりに(修正すると大々的に変えないとならない)、マニュアルに記載されていたり、セーブデータが5つまで保存できるようになっているので、「街でバックアップ用にセーブしたデータを作っておく」など、対策が必要。
上のセーブに関する部分はゲームの進行そのものに影響があるけれど、バランスについては遊び方でなんとかなる。例えば、最初の街を出ると、敵がとにかく強い。このゲームは仲間が増えていくのだけれど、こちらが1人の時に合わせた出現ではなく、場所に合わせてランダムになっているようなので、敵の種類と数によっては勝てない。しかしそこは、最初は戦う敵を選んで、すぐに街に戻って(最初の街には無料で回復できる場所がある)経験値とお金をしばらく貯めれば対応できる。
かつてのRPGはこういうゲームだった。かつてのゲームは容量が少ないだけに、レベル上げや謎解きが簡単すぎると、すぐに終わってしまう。長く遊んでもらうための工夫がそういうところにあった。まあ、今のスマートフォンのゲームでも、徐々に実績を解除しないと(時間をかけないと)先に進めないという点では、デザインとしては同じかも。
このゲームバランスについては、Switch版がかなり遊びやすく調整されている。今遊ぶならSwitch版がオススメ。
- AGESモード(歩くスピードが速い。得られるお金と経験値が多い)。
- ダンジョンのオートマッピングが画面に表示される。
- アイテムやマジックのリストがボタン一つで表示される。
AGESモードで遊ぶと、最初こそ敵の強さに苦戦するけれど、あとはかなり快適に物語や音楽、グラフィックを楽しむことができる。1987年という時代を考えると、オーパーツ(OOPARTS。その時代にはそぐわないような存在)のようなクオリティの高さは、味わって欲しい。
どうしても詰まるところがあれば、今はかつての攻略本の代わりにネットに攻略をまとめている個人の人もいるしね。
|SEGA AGES ファンタシースター|SEGA AGES(セガエイジス)|セガアーカイブス|セガ: http://archives.sega.jp/segaages/ps/
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