【感想】大団円!:カツヲ『ひとりぼっちの○○生活 8』
カツヲ『ひとりぼっちの○○生活 8』
極度の人見知りである中学生、人里ぼっち(ひとり・ぼっち)が、幼なじみとの約束で、クラス全員と友達になることを目指すマンガ。この巻で完結。
ぼっちは、人と接するのが苦手で、中学受験でも怖くて面接に行けず、幼なじみのかいと別の学校に進むことになった。その中学生活を描く。
この作品は作中の時間が進むので、ぼっちとクラスメートたちも、1年生から進級していく。序盤はぼっちの極度の人見知りが笑いを誘うコメディだったのだけれど、そこから徐々に友達を増やしていく。それにつれて、作品の雰囲気も少しずつ変わっていく。人見知りで人としゃべるのは苦手だけれど、優しくて頭のいいぼっちは、ぼっちが思っている以上にまわりのみんなから好かれている。だから、彼女は少しずつ受け入れられていく。
そして、最終巻では「受験」と「卒業」が待っている。ぼっちは、面接のある推薦入試に挑戦する。ぼっちと最初に友達になった砂尾なこは、転校の多い生活を送っていたが、ぼっちたちと同じ高校に通うため、自分の学力よりも高い学校にチャレンジする。
【以下、ネタバレを含みます】
受験の結果は想像通りの展開なのですが、それでもドキドキする。合格発表を待つ時の、「できた気がするけれど、できたのか分からない」感じ、なつかしい。ぼっちは「私本当に試験行った!?」(p.53)とお母さんに聞いてしまうくらい、記憶がなかった。
その後、一般で試験を受けたなこ、アル、ソトカ、佳子の4人は、一足早く合格したぼっちと一緒に、ソトカの家で一斉に発表を見る。ここでみんなが順番に合格を確認し、最後に見たなこが「どおだアル!私でも合格したぞ」(p.77)と言ったのを聞いて、アルがポロポロと涙をこぼして喜ぶシーンは、コミカルなやりとりが多かった2人が、積み重ねて来た絆を感じて、もらい泣きする。
そして卒業式。幼なじみのかいが、ぼっちに会いにやってくる。クラスメートは、みんながぼっちの友達であることを証明するために、学校に残ってかいを待つ。この作品の登場人物は、みんなちゃんと個性があって、作品の世界を生きているってことを感じる。作者が、本当に一人一人を丁寧に、大切にしていることを感じる。
これで完結というのはさびしいですが、最後まで見守ることが出来てよかった。そして、特別編の読み切りでもよいので、彼女たちの高校生活の日常も少しだけ読んでみたい。
あとは、アニメからこの作品を知った身としては、アニメで卒業まで描いて欲しいという思いもある。
|TVアニメ「ひとりぼっちの○○生活」公式サイト: http://hitoribocchi.jp/
|TVアニメ「ひとりぼっちの◯◯生活」公式さん (@bocchi_anime) / Twitter: https://twitter.com/bocchi_anime
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