ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018個人的感想まとめ #lfj2018
ゴールデンウィークに行われるクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018」 https://www.lfj.jp/lfj_2018/ の個人的感想まとめ。この年は5/3、4、5の3日間行われた。
有楽町と池袋で行われるクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」へ:ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」公式サイト lfj.jp/lfj_2018/ #lfj2018
有楽町は東京国際フォーラムのホールや地上広場で、朝10時から夜11時くらいまで、同時並行でクラシックのコンサートが行われる。地上広場には屋台も出て、野外会場で無料コンサートも行われる。今年は池袋も会場に加わって、東京芸術劇場と劇場前の西口広場を会場にコンサートが行われる。
毎年プログラムにはテーマがあって、今年は「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」。作曲家が、生まれ育った場所とは異なる場所で書いた音楽や、ワールドミュージック・ジャズ・映画音楽なども演奏される。
今のところ三日間で11公演聴く予定です。現地でいきなりチケット買ったり、無料公演を聴いたりする可能性もあるので、もうちょっと増えるかもしれません。
5月3日(木)
#lfj2018 5月3日(木)・有楽町・地上広場
#lfj2018 5月3日(木)・有楽町・地下ホールプログラム
M122。カンティクム・ノーヴム(古楽アンサンブル)。13世紀や14世紀の中世スペインで演奏されて歌われていた曲なのですが、アラビア風のメロディーがあったり、でも歌が乗るとヨーロッパの教会音楽を連想したり、いろんな文化の出会う場所だったことを感じるのよね。
野外コンサートを聴きながら、屋台村で買った、グリーンカレーとガパオライスのセットを食べる。
M123。Yom(クラリネット)&Quatuor IXI (弦楽四重奏)“Illuminations”。ユダヤ音楽をルーツとするクラリネット奏者と、コンテンポラリージャズや即興が中心の弦楽四重奏による、45分丸々一曲という楽曲。これは個人的には大興奮で。最初は弦楽のドローンから始まって、クラリネットが尺八のような音色を奏でて、かと思えばミニマルみたいに展開するし、それが聴いていると徐々にバリエーションに変化して、即興演奏のようになるし、まったく飽きることなくあっという間だった。
M124。パヴェル・シュポルツル(ヴァイオリン)、ジプシー・ウェイ。ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」など、これぞロマ音楽という感じのプログラム。アンコールにはモンティの「チャールダーシュ」も。ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、ツィンバロンの四台なので、「ハンガリー舞曲」も「ツィゴイネルワイゼン」もオーケストラ版とはまた感じが違うのが興味深い。やっぱり技巧がすごかったなあ。
最後の公演の前に焼きそばで腹ごしらえ。でも、チケット残ってたらもう一公演聴きたいなー。
M125。リシャール・ガリアーノ(アコーディオン)。自作曲からクラシックから映画音楽まで。ソロの演奏というのが信じられないくらい厚みのある演奏。アンコールの自作「アリア」は、パイプオルガンが奏でているようだった。
今日これからの公演のチケットも買ったったので、まだ帰らんよという、コンサート聴くよという。
20:30。 今は地下のホールで、山中千尋さんのジャズトリオの演奏を聴いてます。バーンスタインのマンボから八木節につなぐとか、やっぱりすごいイマジネーションとテクニック。
M136。中世の伝統歌I。アンサンブル・オブシディエンヌ。見たこともない楽器とともに歌われる、聴いたこともないような曲の数々が、本当に素晴らしくて。長い歴史を残った歌は、今でも魅力を持っていると思う。こういう公演があるのが、ラ・フォル・ジュルネのすごいところ。
追加で買ったのがM147。パヴェル・シュポルツル(ヴァイオリン)、ジプシー・ウェイ。M124とは全部演奏曲が異なるので、聴くしかと思って。事前のプログラムとは若干変更。でも、すごく盛り上がった。本当は、もう立ち上がってクラップしながら聴きたい気分だった。私にはなんだか、ロマ音楽に心ふるえるなにかがあるのだと思う。
#lfj2018 ということで、本日は有料公演6公演+無料公演1公演で撤収しました。どれもよかったです。明日、明後日も行ってきます。
5月4日(金)
東京芸術劇場はパイプオルガンがあるのが、有楽町にはない強みだよねえ。たしか、バッハがテーマの年にマルタンさんからそんな話(オルガン曲を演奏するなら、東京芸術劇場に素晴らしいパイプオルガンがある)が出た記憶が。結局実現しなかったけれど。
#lfj2018 5月4日(金)・有楽町・地上広場ステージプログラム。
#lfj2018 5月4日(金)・有楽町・地下展示ホール公演プログラム。サプライズはアンサンブル・オブシディエンヌとパリサンダー。
M232。中世の伝統歌II。アンサンブル・オブシディエンヌ、エマニュエル・ボナルド(リーダー)。昨日と同じアンサンブルですが、プログラムは別で、これもまた素晴らしかった。同じ弦楽器を、昨日は指で弾いて、今日は弓で弾いていたりとか。
今日は次のコンサートまで少し余裕があるので、屋台村で色々食べる。
昼食と夕食
M244。 "Road to freedom”。バーバラ・ヘンドリックス(s)、マティアス・アルゴットソン(p・ハモンドオルガン)、マックス・シュルツ(g)、ウルフ・エングランド(g、照明デザイン)。
バーバラ・ヘンドリクッスが自らのルーツを歌うような、ブルース、ジャズのプログラム。「アメイジング・グレイス」が聴けたのも嬉しかったし、ラストが自分の大好きなビリー・テイラー「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」でめっちゃ嬉しかった。
M214。ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95「新世界より」。クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団、カスパル・ゼンダー(指揮)。個人的「好きな交響曲ベスト5」には間違いなく入るこの曲を、ルーマニアのオーケストラで。感覚的な表現ですが、スマートな演奏をする魅力を感じた。ドヴォルザークの交響曲第九番って、特に第四楽章は「ぐわーっとした」(超感覚的表現)演奏になることもあるのですが、スマートだったなあ。
M246。チャイコフスキー:イタリア奇想曲 op.45/コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35。アレーナ・バーエワ(vl)、クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団、カスパル・ゼンダー(指揮)。
M214と同じオケによる、今度は協奏曲。チャイコフスキーのイタリア奇想曲とコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲。どちらもドラマチックで起伏に富んでいる。コルンゴルトの協奏曲は1945年発表と考えると、クラシカルなのかもしれないけれど、それまで映画音楽を数多く手掛けたという経歴から考えると、この曲調もうなづける。
M247。林英哲:組曲『レオナール われに羽賜べ』(2018年版)。林英哲、英哲風雲の会。
今日の、急遽チケット買った公演。聴いてよかった! 太鼓、打楽器で藤田嗣治の生涯を表現する。簡単に「太鼓、打楽器で」と書きましたが、太鼓を中心に様々な打楽器を使い、舞台上を動きながらの演奏もあり、芸術性と肉体の強さの両方が求められる演目。自らのアイデンティティに苦悩した藤田の抱えていた思いを表現するような、「魂」を感じた。
朝の時点では2公演を聴く予定でしたが、一挙倍増で5公演を聴いて帰ってきました。気になる公演について、当日チケットを買って聴く。これがラ・フォル・ジュルネの醍醐味だと思う。
5月5日(土)
本日は有楽町で1公演聴いた後、池袋に移動して4公演。私は今年のラ・フォル・ジュルネは、池袋でラストを迎えます。池袋のラ・フォル・ジュルネはどんな感じなのかなー。東京芸術劇場でのコンサートは聴いたことがあるし、西口公演も色々な催しが開催されたのを見たことがあるけれど、あそこでLFJの公演があるのはなんだか不思議。あと、シアターイースト、シアターウェストは初めてなので、これも楽しみ。
5月5日(土)・有楽町・地下展示ホールのコンサートプログラム。当日発表のサプライズはエカテリンブルク・フィルハーモニー合唱団。
#lfj2018 5月5日(土)・有楽町・地上広場キオスクステージのコンサートプログラム。
屋外に響く、ビブラフォン独奏の宮澤賢治「星めぐりの歌」って、趣がある。
M342。伊福部昭:日本狂詩曲/ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲。山根一仁 (vl)、新日本フィルハーモニー交響楽団、井上道義 (指揮)
伊福部昭の作品は、クラシック曲も映画音楽も、エネルギーがある。山根一仁さんの独奏は、クールに弾いているようでいてそのエネルギーを感じる演奏。
日本狂詩曲の「祭り」では、立って演奏できる楽器はみんな立ち上がる。後半は、道義さんが曲前に「みんなでバーチャルな祭りをやる」言っていたとおり、客席に向かって「立って立って!」とジェスチャーで促して、客席も立ち上がって手拍子。道義さんは譜面台を纏のように持ち上げる。日本狂詩曲は、みんなが立ち上がって聴いていたので、そのままスタンディングオベーション。すごかったな。ラ・フォル・ジュルネらしかったし、伊福部昭らしかったし、井上道義さんらしかった。
私の有楽町でのラ・フォル・ジュルネはこれにて終わり。今日は池袋会場に向かいます。
池袋は丸の内よりものんびりした感じ。
T334。ピアース・ファッチーニ&トリオ。
ファッチーニはイタリア人の父と英国人の母を持ち、ロンドンで生まれてフランスに移住したシンガーソングライター。曲間のMCによると、先祖(すごく遡ったおばあさま)にはスペインのコルドバにいた人もいるらしい。編成はギターボーカルとドラム、ダブルベース、そしてマンドリン他の様々な弦楽器の四人。アフリカの民族音楽や、そうした曲にインスピレーションを得た曲もあって、結構なコスモポリタンなのかも。最初はバラードが中心。後半は客席も一緒に手拍子を。
T335。Slide Monsters (トロンボーン四重奏):中川英二郎、ジョゼフ・アレッシ、マーシャル・ギルクス、ブラント・アテマ。
トロンボーン四台で、ものすごく多彩で厚みのある演奏。ドローンのような前衛的な曲あり、すごくジャズらしい曲あり、それぞれのバックボーンの深みを感じる曲の数々。「次が最後の曲です」の紹介に驚くくらいあっという間だったなあ。アンコールでは客席を歩いて演奏しながら退場。
池袋は、南池袋公演の方が野外公演が盛り上がっていたのかしら? 西口は結構静かだったので。
21:54、池袋、全公演終わりました。
T336。ブラック・ボトム・ブラス・バンド。ニューオーリンズ・ジャズ。結成25年の経験値と、それでも新しいこと、楽しいことを追い続けるところがすごい。今年のラ・フォル・ジュルネ、ハッピーな締めくくりになりました。アンコールは「聖者の行進」でした。
ラ・フォル・ジュルネは、誰もが知っている有名なクラシックから、誰も知らないんじゃないかと思うような隠れた超名曲まで、あらゆる音楽を内包していて、「会場に来ればなにか面白いことがある」ってのがいいのよ。音楽に興味さえあれば。
今年の総括と、来年について記者会見があったのかはあとで調べますが、基本線(芯の部分)を外さずに開催してもらえたら嬉しい。ずっと細かな変更やチューニングを繰り返して続いてきた音楽祭なので。東京国際フォーラムを中心に、クラシック中心の音楽祭として。
とにかく「そんな催しがあったなんて知らなかった行きたかった」という人を減らすことかな。それがすべてだと思う。情報を知った上で、それでも行かないという判断をする人にこだわってもしかたないので、とにかく参加者のチャンスロスを減らすことにつきるんじゃないかな。
2018年のラ・フォル・ジュルネは、全体のチケット販売と来場者は去年より多い。もし人が少ないという印象を持った人がいるとすれば、会場が丸の内と池袋に分かれたというその点に尽きるのでしょう。とはいえ、ホール単位で空席のある公演があったのも事実。それでも、東京芸術劇場は音響はいいし、三つのホールも近いし、曲によってパイプオルガンもつかえるし、ここでのラ・フォル・ジュルネ開催には可能性があると思うんだよね。あとは、ホール全体と西口公園含めて雰囲気を作ることと、丸の内とどう連携するか。
(2023.02.25追記)池袋でのラ・フォル・ジュルネは今のところ2018年限りとなっている。会場が分散されたことのメリット、デメリットを比較してということなのかな。あとは、池袋の東京芸術劇場の周辺が、東京国際フォーラムほどには音楽祭の雰囲気に染まらなかった印象もある。




























































































































