◆『これ描いて死ね』|アニメ第1話感想|原作への敬意と、アニメとしての演出
思えば、「好きなマンガがアニメになる」という経験は久しぶりかもしれない。少なくとも、私がアニメを見るのを再開するようになった2015年以降では初めてかもしれない。
『これ描いて死ね』は、現在も連載中のとよ田みのるさんのマンガ。私は、とよ田さんのマンガは、最初の連載の『ラブロマ』の最終巻を2005年に購入して読んだ記録があるから、その前から読んでいるはずで、もう20年来の(!)読者です。
『これ描いて死ね』は、漫画研究会で活動する高校生と、彼女たちを見守る大人たちの現在と過去を描く。
マンガを描くことの楽しさと、マンガを描き続ける中でぶち当たるしんどさと、それでもマンガを描くことの熱気を描いている。登場人物は、それぞれ見ている方向が違う。プロを目指そうと志す人もいる。プロになるかどうかよりも優先順位が高いものを持っている人もいる。プロとしての経験があるゆえに、夢を持つ人の背中を簡単に押せない人もいる。そもそも、マンガは描くものではなく読むものと考えている人もいる。
色々な人がいるのだけれど、みんな「でもマンガが好き」という点が共通している。だから、読者も誰かしらに感情移入できたり、自分の思いを投影できたりするのではないかな。
そのくらい好きな作品なので、アニメ化はうれしいと同時に「どんな風にアニメになるのだろう」という思いも持っていた。
でも、プロモーション映像を見て、制作がシンエイ動画さんという点に、作品とぴったりハマっていると感じました。藤子・F・不二雄先生の多くの作品をアニメ化している制作会社さんでもありますし。
そして、第1話を見た時点での感想。
すごく丁寧に、原作をアニメ化している作品だと思いました。それは登場人物も、そして舞台となる島の風景も。作中に登場するマンガも、実在の作品が登場するし、作品の中で大切な舞台になっていく自主制作漫画誌展示即売会のコミティアも、しっかりとコミティアとして描かれている。だから、オンエアをリアルタイムで通して見て楽しむ(それも十分な楽しみ方)。そして、録画した映像をところどころ戻しながら、たくさんの情報を「こうなっているのか」と思いながら見ることもできる。
同時に、原作にはないシーンを挿入することで、登場人物の思っていることや行動の理由の説得力がより増しているシーンもある。これが、原作に敬意を払いつつ、アニメ作品として演出するということなのだろうなあと思う。
今回のアニメで、原作のどの部分まで、どのように描かれるかは、これからのお楽しみ。どのように描かれても、しっかりとアニメ版の『これ描いて死ね』になるのだろうなあというよい予感がしています。
原作も、アニメに心惹かれた人は、アニメを見終えてからでもよいので、読んでもらえるとうれしいです。
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